【高校受験】数学が苦手な中3におすすめの参考書・問題集|基礎以前から6段階で現役塾長が解説

「中3なのに数学が全然分からない」

「高校受験が近づいているのに、どの問題集から始めればいいの?」

「問題集を買っても難しくて、結局答えを写して終わってしまう……」

塾を経営していると、このような相談を受けることがあります。

数学が苦手な生徒に必要なのは、いきなり難しい高校入試問題集に挑戦することではありません。

大切なのは、

「今、自分が本当にできるところ」から始めることです。

例えば、

「-3+8」で迷ってしまう生徒。

方程式まではできるけれど、連立方程式になると分からなくなる生徒。

基本問題は解けるけれど、入試問題になると手が止まってしまう生徒。

同じ「数学が苦手」という言葉でも、必要な勉強はまったく違います。

そこでこの記事では、数学の参考書・問題集を、

レベル0 基礎前

レベル1 超基礎

レベル2 基礎

レベル3 基礎完成

レベル4 標準

レベル5 実戦

という6段階に分けて紹介します。

中3だからといって、中3の問題から始める必要はありません。

分からなくなったところまで戻る。

私はこれが数学を伸ばす一番の近道だと考えています。

まず確認|あなたはどのレベルから始める?

次の問題を頭の中で解いてみてください。

① −3+8

すぐに答えが出ますか?

ここで迷ってしまう場合は、**レベル0「基礎前」**から始めましょう。

② 3x+5=17

xを求められますか?

ここで手が止まる場合も、中1数学に戻ることをおすすめします。

③ 連立方程式

x+y=7
x-y=1

この2つの式からxとyを求められますか?

難しければ、**レベル1「超基礎」**からです。

④ 一次関数

y=2x+3で、x=4のときのyを求められますか?

このあたりまでできれば、3年間の内容をまとめ直す**レベル2「基礎」**へ進んでもいいでしょう。

大切なのは、

「中3だから、この問題集をやらなければいけない」

と考えないことです。

現在地からスタートしましょう。

レベル0【基礎前】正負の数・文字式・方程式から厳しい

おすすめ①『中1数学をひとつひとつわかりやすく。』

「中3なのに中1の参考書?」

と思うかもしれません。

しかし、私はまったく問題ないと思っています。

むしろ、中1数学が理解できていない状態で高校入試問題を解き続ける方が危険です。

例えば、

・正負の数の計算
・文字式
・一次方程式
・比例、反比例
・基本的な図形

このあたりでかなり苦戦しているなら、思い切って中1まで戻りましょう。

『中1数学をひとつひとつわかりやすく。』のような教材は、数学がかなり苦手な生徒でも取り組みやすいように、解説と基本問題を中心に構成されています。

こんな生徒におすすめ

・数学のテストが10〜30点程度
・正負の数で間違える
・分数が入ると手が止まる
・方程式が分からない
・問題を見るだけで「数学は無理」と感じてしまう

この段階では問題数を大量にこなす必要はありません。

まず、

「あれ?自分でもできるかも」

という感覚を取り戻すことが重要です。

「中3なのに中1へ戻って大丈夫?」

大丈夫です。

ここは、数学が苦手な受験生にぜひ伝えたいところです。

中3だから、中3の問題集をやらなければいけないわけではありません。

方程式が分からないなら中1に戻っていい。

連立方程式が分からないなら中2に戻っていい。

私は塾で生徒を指導するとき、「受験生だから」という理由だけで難しい問題をやらせることはありません。

例えば、

-3+5で迷う生徒に、二次関数を何時間教えても数学はなかなかできるようになりません。

それなら一度戻って、

「これなら分かる」

というところから始めた方がいい。

戻ることは遠回りではありません。

分からないまま先へ進む方が、ずっと遠回りです。

レベル1【超基礎】中1・中2にかなり穴がある

おすすめ②『中1〜3 基礎からわかりやすく 数学ノート』

中1数学の簡単な計算はできる。

でも、

「連立方程式は怪しい」

「一次関数が分からない」

「図形になると全然分からない」

という生徒は、次の段階です。

ここで大切なのは、いきなり入試問題に進むことではありません。

中学3年間の基礎をつなぎ直すことです。

『中1〜3 基礎からわかりやすく 数学ノート』のように、基本事項の解説を確認してから基本問題を解く教材が向いています。

このレベルの目標

「難しい問題が解ける」ではありません。

まず、

・基本的な計算ができる
・方程式が解ける
・連立方程式が解ける
・関数の基本が分かる
・図形の基本用語が分かる

という状態を目指します。

この土台ができると、その後の伸び方が変わってきます。

レベル2【基礎】基本は分かるが中学3年間に穴がある

おすすめ③『高校入試 中学3年間の総復習 数学』

ここから、ようやく「高校入試」を意識した教材へ進みます。

ただし、まだ難しい入試問題をバリバリ解く段階ではありません。

目的は、

中学3年間の数学を一度整理すること。

中1の内容。

中2の内容。

中3の内容。

受験勉強を始めると、

「一次関数は忘れていた」

「確率の解き方を忘れていた」

「連立方程式で計算ミスが多い」

ということが必ず出てきます。

それを一つずつ発見して、埋めていきます。

こんな生徒におすすめ

・学校の数学はある程度分かる
・定期テスト40〜60点程度
・計算問題はある程度できる
・中1、中2の内容を忘れている
・模試になると点数が取れない

この段階では、

「できない単元を見つけること」

も勉強です。

レベル3【基礎完成】入試の基本問題を取れるようにする

おすすめ④ 公立高校入試向けの基礎問題集

ここまで来たら、高校入試で実際に出題される形に少しずつ慣れていきます。

ただし、まだ難問を追いかける必要はありません。

目標は、

「取るべき問題を確実に取る」

ことです。

数学が苦手な生徒は、どうしても後半の難しい問題が気になります。

しかし、例えば30点の生徒が50点を目指す場合、

難しい問題を1問解けるようにするより、

前半の基本問題で落としている20点を拾う方が早い

ことがあります。

・計算
・方程式
・確率
・資料の活用
・基本的な関数
・基本図形

こうした問題を確実に取れるようにしていきます。

レベル4【標準】基本問題はできるが入試問題で止まる

おすすめ⑤『高校入試 合格でる順 数学』

ここまで来たら、入試頻出問題へ進みます。

「公式は知っている」

「基本問題なら解ける」

しかし、

入試問題になると、どう解き始めればいいのか分からない。

この段階です。

数学では、単に公式を覚えるだけではなく、

「この問題なら、この考え方を使う」

という経験を増やす必要があります。

特に、

・一次関数
・二次関数
・図形
・証明
・規則性

などは、問題演習を通して解き方のパターンを身につけていきましょう。

レベル5【実戦】上位校を目指す

おすすめ⑥『全国高校入試問題正解 数学』

基本問題をほとんど落とさなくなったら、全国の高校入試問題を使った実戦演習へ進みます。

ここで初めて、

「初めて見る問題を自分の力で考える」

という練習を増やします。

数学が得意な生徒や上位校を目指す生徒には非常に良い練習になります。

一方で、数学が30点の生徒が最初からこのレベルをやる必要はありません。

教材には順番があります。

数学の参考書ルートはこう考えよう

数学が本当に苦手なら、

中1数学

中1〜3超基礎

中学3年間総復習

公立高校入試基礎

入試標準問題

全国入試問題

という順番です。

ただし、

全部の問題集を買う必要はありません。

ここは重要です。

例えば、レベル0の生徒ならまずレベル0をやる。

終わったときに、レベル1の問題ができるようになっていれば次へ進む。

すでにできるのであれば、そのレベルは飛ばして構いません。

教材を集めることが目的ではありません。

できないことを、できるようにするために教材を使う。

これが目的です。

1冊終わったら、すぐ次の問題集へ行かない

ここも非常に大切です。

1冊終わったからといって、すぐにレベルを上げる必要はありません。

例えば100問ある問題集を1回解いて、

60問正解、40問不正解だったとします。

これは、

「1冊終わった」のではありません。

40問、まだできない問題が残っています。

まず、その40問を解き直します。

次に10問間違えたなら、その10問をもう一度やる。

最終的に、

「ほとんど自力で解ける」

ところまで持っていってから次へ進みます。

おすすめは「○△×」で管理すること

問題を解いたら、

○=自力でできた

△=ヒントや解説を見ればできた

×=解説を読んでも難しい

と記録してみてください。

2周目は△と×。

3周目は、まだ残っている△と×。

これだけでも勉強の効率はかなり変わります。

特に注意してほしいのが、

「解説を読んで分かった=できる」ではない

ということです。

解説を閉じて、自分一人でもう一度解けるか。

ここまで確認してください。

基礎前レベルの生徒は「全部やる」にこだわらなくていい

高校入試まで時間が限られている場合は、さらに考え方を変える必要があります。

例えば中3の秋になっても正負の数や方程式がかなり厳しい場合、

中学数学を最初から最後まで完璧にしようとすると間に合わない可能性があります。

その場合は、

高校入試で得点につながりやすい基本問題を優先する

ことも必要です。

計算。

方程式。

確率。

資料。

基本的な関数。

こうした問題から少しずつ得点できるようにします。

受験勉強では、

「全部できるようにする」ことと「合格するために必要な点数を取る」ことは、必ずしも同じではありません。

残された時間と志望校を考えて、優先順位をつけましょう。

宮城県の受験生は新みやぎ模試を「弱点発見」に使おう

宮城県の中3生であれば、新みやぎ模試の結果も参考書選びに活用できます。

見るのは偏差値だけではありません。

数学の答案を確認して、

「計算で落としている」

「関数がほとんどできていない」

「図形になると空欄」

「後半まで時間が足りない」

など、自分の弱点を確認してください。

そして、

模試で弱点発見

自分に合った問題集で復習

次の模試で確認

というサイクルを作ります。

模試は単に「偏差値を見るもの」ではありません。

次に何を勉強すればいいかを教えてくれる教材でもあります。

保護者の方へ|「中3なのに中1をやっている」と焦らないでください

最後に、保護者の方にお伝えしたいことがあります。

受験が近づくと、

「周りはもう過去問をやっている」

「うちの子だけ中1の数学をやっていて大丈夫なの?」

と不安になることがあると思います。

でも、私はこう考えています。

できない問題を100問やるより、できる問題を一つずつ増やした方がいい。

中1に戻ることは恥ずかしいことではありません。

中2に戻ることも遠回りではありません。

むしろ、

分からない場所をそのままにして中3の問題を続ける方が、遠回りになることがあります。

昨日できなかった計算が、今日はできた。

先週分からなかった方程式が、今週は一人で解けた。

その小さな「できた」の積み重ねが、やがて入試問題を解く力になります。

数学が苦手だからといって、最初から諦める必要はありません。

まとめ|数学は「今いる場所」から一段ずつ上がればいい

今回紹介した参考書・問題集の考え方をまとめます。

レベル0 基礎前
正負の数・文字式・方程式から厳しい
→ 中1数学まで戻る

レベル1 超基礎
中1・中2の内容に大きな穴がある
→ 中1〜3の超基礎をやり直す

レベル2 基礎
基本は分かるが忘れている単元が多い
→ 中学3年間を総復習

レベル3 基礎完成
基本問題はできる
→ 公立高校入試の基本問題へ

レベル4 標準
基本は安定している
→ 入試頻出・標準問題へ

レベル5 実戦
基本問題をほとんど落とさない
→ 全国高校入試問題へ

大切なのは、

一気に階段を上がらないことです。

中3だから入試問題集。

受験生だから過去問。

そう決めつける必要はありません。

自分が分からなくなった場所を見つけて、そこまで戻る。

そして、一段ずつ上がっていく。

数学は積み重ねの教科だからこそ、

正しい場所からやり直せば、もう一度積み上げることができます。

「数学が苦手だから無理」ではありません。

今の自分に合った1冊から始めてみてください。

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