正しい参考書の選び方は難しい?どこで買う?何を買えばいい?現役塾長が教える失敗しない選び方

「参考書を買いたいけれど、何を選べばいいのかわからない」

「本屋さんに行っても、種類が多すぎて迷ってしまう」

「評判の良い問題集を買ったのに、結局ほとんど使っていない」

こんな経験はありませんか?

実は、参考書選びは思っている以上に難しいものです。

僕は学習塾で多くの生徒を指導してきましたが、参考書を何冊も持っているのに、成績が伸び悩んでいる生徒を見てきました。

一方で、たった1冊の問題集を繰り返すことで、少しずつ成績を伸ばしていく生徒もいます。

この違いは何でしょうか。

大切なのは、評判の良い参考書を買うことではありません。今の自分に合った参考書を選ぶことです。

今回は、現役塾長の立場から、参考書の正しい選び方についてお話しします。

目次

1.参考書は有名なものを買えばいい?

参考書を探すとき、インターネットで検索する人は多いと思います。

「中学生 数学 おすすめ問題集」

「高校受験 英語 参考書 ランキング」

「高校生 英単語帳 おすすめ」

検索すれば、さまざまなランキングが出てきます。

もちろん、評判の良い参考書には、それだけの理由があります。

しかし、ここで気をつけてほしいことがあります。

人気の参考書が、あなたにとって最適な参考書とは限らないのです。

例えば、数学のテストで40点前後の生徒が、難関高校向けの問題集を購入したとします。

解説を読んでも理解できない。

問題を解こうとしても手が止まる。

答えを見ても、なぜそうなるのかわからない。

これでは勉強が苦痛になってしまいます。

反対に、数学で90点を取っている生徒が基本計算ばかりの問題集を使っても、十分な学力向上にはつながらないかもしれません。

つまり、参考書選びには「今の学力」と「目標」の両方が必要なのです。

2.参考書はどこで買うのがおすすめ?

参考書を購入する場所は、大きく分けて書店とインターネットです。

僕がおすすめするのは、初めて購入する参考書は、できるだけ書店で中身を確認することです。

書店で購入するメリット

書店には、実際に本を手に取って確認できるという大きなメリットがあります。

特に確認してほしいのは、次の5つです。

  • 解説を読んで自分で理解できそうか
  • 文字の大きさやページの構成は見やすいか
  • 問題数が多すぎないか
  • 解答・解説が十分に詳しいか
  • 学校の授業や自分の目標に合っているか

表紙に「わかりやすい」「これだけで完成」と書いてあっても、実際に中身を見なければ判断できません。

特に、勉強が苦手な生徒ほど、解説のわかりやすさを重視してほしいと思います。

ネットで購入する場合は?

Amazonなどのネット通販は便利です。

ただし、レビューの評価だけで選ぶことはおすすめしません。

なぜなら、レビューを書いた人と、あなたの学力や目的が同じとは限らないからです。

ネットで購入する場合は、出版社の試し読みや目次、対象学年、難易度なども確認しましょう。

また、中古の参考書を購入する場合は、古い学習指導要領に対応したものではないか、書き込みや解答冊子の欠品がないかにも注意が必要です。

3.中学生は何を買えばいい?

中学生の場合、僕はまず学校の教材を確認することをおすすめします。

実は、学校のワークを十分に使いこなせていない生徒は少なくありません。

学校のワークが終わっていないのに、新しい問題集を購入する。

そして、新しい問題集も途中で終わってしまう。

これでは、教材が増えるだけです。

まずは学校のワークをしっかり理解し、解けなかった問題を自分の力で解けるようにすることが大切です。

そのうえで、必要な教材を追加しましょう。

数学が苦手な中学生

数学が苦手な生徒には、基本問題が中心で、途中式や考え方が丁寧に説明されている教材がおすすめです。

難しい応用問題がたくさん載っている必要はありません。

まずは計算、方程式、関数などの基本を確実にすることが重要です。

英語が苦手な中学生

英語の場合は、単語と文法のどちらにつまずいているかを確認しましょう。

単語を知らない生徒が長文問題集ばかり解いても、なかなか成績は伸びません。

また、be動詞と一般動詞の違いが理解できていない場合は、中学1年生の内容まで戻る必要があります。

学年にこだわらず、理解できていないところからやり直せる教材を選びましょう。

理科・社会が苦手な中学生

理科や社会は、図や写真、資料が豊富で、重要事項を確認できる教材が使いやすいと思います。

ただし、用語を覚えるだけでは不十分です。

覚えた知識を問題で確認できる構成になっているかも大切なポイントです。

4.高校生は参考書選びをもっと慎重に

高校生になると、参考書選びはさらに重要になります。

特に大学受験では、志望大学や受験方式によって必要な学習内容が異なります。

例えば、英語が苦手な高校生が、いきなり難関大学向けの英文解釈や長文問題集に取り組んでも、十分な効果は期待できません。

まずは単語、文法、英文の構造を理解する力など、何が不足しているのかを確認する必要があります。

数学も同様です。

基礎問題が解けない状態で難しい問題集に進んでも、解説を写すだけの勉強になってしまうことがあります。

大学受験の参考書は、志望校のレベルだけでなく、現在の学力から無理なく進められる順番で選ぶことが重要です。

5.参考書を買う前に、3問だけ解いてみよう

僕がおすすめしたいのは、購入前に実際の問題を3問ほど解いてみることです。

もちろん、書店では立ち読みの範囲で内容を確認し、実際に解く場合は試し読みや見本などを利用してください。

目安として、基本問題を自力である程度解けて、間違えた問題も解説を読めば理解できる教材が取り組みやすいでしょう。

反対に、ほとんどの問題がわからず、解説を読んでも理解できない場合は、今の自分には難しすぎる可能性があります。

難しい問題集を持っていることと、学力が高いことは別です。

大切なのは、その教材を使って何ができるようになるかです。

6.参考書は何冊買えばいい?

ここは、ぜひ保護者の皆さんにも知っていただきたいところです。

僕は、必要以上に参考書を増やすことをおすすめしていません。

例えば、英語の文法問題集を3冊買ったとします。

1冊目は30ページ。

2冊目は20ページ。

3冊目は10ページ。

どれも途中で終わってしまったら、理解が不十分な単元が残りやすくなります。

それよりも、まず1冊を繰り返し、間違えた問題を自分で解けるようにすることを目指しましょう。

ただし、1冊ですべての学習をまかなう必要はありません。

単語帳、文法問題集、長文問題集のように、目的が異なる教材を組み合わせることはあります。

重要なのは、同じ目的の教材をむやみに増やさないことです。

7.保護者が参考書を選んであげるのは正しい?

保護者の皆さんから、こんな相談を受けることがあります。

「子どもが勉強しないので、問題集を買ってあげようと思うのですが……」

そのお気持ちはよくわかります。

何とか勉強するきっかけを作ってあげたい。

少しでも成績を上げてほしい。

親としては当然の気持ちだと思います。

ただ、ここで一つ考えていただきたいことがあります。

問題集を買うことと、勉強する習慣が身につくことは別です。

本人が必要性を理解していないまま問題集を渡されても、なかなか取り組めないことがあります。

だからこそ、購入する前に「何のために使うのか」「いつ取り組むのか」を親子で話してみてください。

例えば、数学の計算ミスが多いのであれば、毎日10分だけ計算問題に取り組む。

英単語が覚えられないのであれば、1日10語ずつ覚えて翌日に確認する。

このように、具体的な使い方まで決めておくと、教材を活用しやすくなります。

8.塾に通っているなら、参考書を買う前に相談してほしい

すでに学習塾に通っている生徒であれば、参考書を購入する前に担当講師に相談することをおすすめします。

塾では、普段の授業を通して生徒の得意・不得意を確認しています。

「数学の文章題が苦手だと思っていたけれど、実は割合の理解が不十分だった」

「英語の長文が苦手だと思っていたけれど、原因は基本的な文法だった」

こうしたことは珍しくありません。

自分では気づいていない弱点が見つかることもあります。

また、塾の教材で十分に対応できる場合は、新しく購入する必要がないこともあります。

参考書は、買うことが目的ではありません。

学力を伸ばすための道具なのです。

9.僕が参考書選びで一番大切にしていること

僕は、参考書を選ぶときに一つ大切にしていることがあります。

それは、その生徒が一人でも勉強を進められる教材かどうかです。

先生が隣にいなければ解けない。

答えを見ても理解できない。

毎回誰かに教えてもらわなければ進められない。

もちろん、最初はそういうこともあります。

しかし、いつまでもその状態では、自分で学ぶ力が育ちません。

僕が目指しているのは、塾を卒業した後も、自分で考え、自分で学び続けられる生徒を育てることです。

だからこそ、参考書選びでも「自分で理解できる」「自分で間違いを直せる」ということを大切にしています。

難しい参考書を持つ必要はありません。

周りの友達と同じ参考書を使う必要もありません。

自分の現在地を知り、そこから一歩ずつ進める教材を選んでほしいと思います。

まとめ|参考書は買って終わりではない

参考書選びで迷ったときは、次のことを思い出してください。

  • 人気ランキングだけで決めない
  • できれば書店で実際に中身を確認する
  • 今の学力に合った難易度を選ぶ
  • 解説が理解できるかを重視する
  • 学校や塾の教材で足りる場合は無理に買わない
  • 同じ目的の参考書を何冊も増やさない
  • 購入前に使い方まで決める

最後に、僕から一つ。

参考書を買うと、何となく勉強ができるようになった気持ちになることがあります。

新しいノートを買ったときも、少し勉強が楽しくなりますよね。

僕も、その気持ちはよくわかります。

でも、本当に大切なのは買った後です。

1ページでもいい。

昨日できなかった問題が、今日できるようになる。

その小さな積み重ねこそが、学力を伸ばしていくのだと思います。

一番良い参考書は、一番売れている参考書ではありません。あなたが最後まで使い、自分の力に変えられる参考書です。

ぜひ、自分に合った1冊を見つけてください。


この記事は、宮城県で学習塾を運営する現役塾長が、日々の指導経験をもとに執筆しています。

目次