「もう中3なのに、英語が全然できない」
「単語も文法も怪しい。高校入試までに間に合うのでしょうか?」
「模試の英語が30点、40点。このままで志望校に届くの?」
受験が近づいてくると、このような相談が増えてきます。
特に秋以降になると、
「もっと早く勉強しておけばよかった」
と焦る中学生もいます。
保護者の方も、
「今から中1の内容に戻っていて、本当に間に合うの?」
と不安になると思います。
最初に結論を言います。
残り時間が少ないなら、「全部できるようにする」という勉強はやめましょう。
中学3年間の英語を、短期間ですべて完璧にする。
これは簡単なことではありません。
しかし、
高校入試で必要な点数に近づくために、勉強する内容を絞ることはできます。
大切なのは、
「間に合うか、間に合わないか」
を考え続けることではありません。
残された時間で、あと何点をどこから取るのか。
ここを考えることです。
この記事では、高校入試まで時間がない中3生に向けて、残り3か月・2か月・1か月・2週間で英語をどう勉強すればいいのか、現役塾長の立場から具体的に解説します。
高校入試の英語が間に合わないと思ったら、最初にやること
焦っているときほど、いきなり問題集を開かないでください。
まず確認してほしいことがあります。
それは、
「英語で何点必要なのか」
です。
例えば、現在の模試が35点だったとします。
そこで、
「100点を目指そう!」
ではありません。
志望校の合格ラインや他教科の状況を考えて、
「英語でまず50点を目指そう」
となるなら、
必要なのはあと15点です。
すると、
「あと15点をどこから取る?」
という考え方ができます。
これだけでも勉強方法が変わります。
英語が30点の子と60点の子では、やることが違う
受験まで時間がないと、
「おすすめの参考書は何ですか?」
と聞きたくなると思います。
でも、その前に現在地を確認してください。
英語20〜30点台
単語・基本文法に大きな穴がある可能性があります。
難しい長文問題集より、基礎を優先します。
英語40〜50点台
基本的な知識はあるものの、
- 単語不足
- 長文読解
- 時間配分
- 文法の抜け
などで失点している可能性があります。
何が原因なのかを確認します。
英語60点以上
基礎から全部やり直すより、
- 長文
- 英作文
- リスニング
- 時間配分
- ケアレスミス
など、自分の失点箇所に絞ります。
全員が同じ勉強をする必要はありません。
時間がない中3生が優先したい英語の勉強5つ
ここからが本題です。
高校入試まで時間がない場合、私は次の順番を基本に考えます。
① 英単語|毎日やる
最優先候補は英単語です。
理由はシンプルです。
単語が分からなければ、英文が読めないからです。
例えば、
I went to the library to borrow a book.
という英文があったとします。
libraryもborrowも分からなければ、内容を理解するのは難しくなります。
逆に、
library=図書館
borrow=借りる
と分かれば、文章の意味をかなり予測できます。
単語は「書く」より先に「意味が分かる」を増やす
時間がない場合、
1単語を10回、20回と書くことだけに時間を使うのはおすすめしません。
もちろんスペルを書く練習も必要です。
ただ、長文を読むためには、
英単語を見た瞬間に意味が出てくること
が非常に重要です。
英語→日本語をテンポよく確認します。
分からなかった単語に印をつける。
↓
印がついた単語をもう一度見る。
↓
翌日もう一度テストする。
この繰り返しです。
完璧になってから次へ進むのではありません。
何度も出会うことで覚えていきます。
② 英文法|全部ではなく「土台」を優先する
次が英文法です。
ここで注意してください。
時間がないからといって、中3文法だけをやる必要はありません。
例えば、
be動詞と一般動詞の違いが分からない。
疑問文・否定文が作れない。
過去形が分からない。
この状態なら、中1内容に戻ります。
最低限確認したい英文法
特に確認したいのは、
- be動詞と一般動詞
- 疑問文・否定文
- 三単現
- 過去形
- 助動詞
- 不定詞
- 動名詞
- 比較
- 受け身
- 現在完了
- 接続詞
- 関係代名詞
などです。
ただし、
全部を完璧にしてから長文へ進む必要はありません。
基礎文法を復習しながら、並行して英文を読みます。
③ 長文読解|全文を日本語訳しようとしない
入試英語では長文を避けて通れません。
だからといって、最初から難しい長文を何題も解く必要はありません。
最初は、
少し簡単な英文を正確に読む
ところから始めます。
そして、
「誰が」
「何をした」
「いつ」
「なぜ」
「どうなった」
という文章の流れをつかみます。
分からない単語が出るたびに止まりすぎない
入試本番では、知らない単語が出ることがあります。
そのたびに完全に止まっていたら時間が足りません。
前後の文章から、
「こういう意味かな?」
と予測する練習も必要です。
分からない単語が一つあっても、文章全体の意味が取れることがあります。
④ リスニング|毎日10分でも続ける
リスニングは、
「入試直前にまとめてやろう」
となりやすい分野です。
しかし耳は急には慣れません。
だからこそ、
1日10分程度でも毎日触れる
ことをおすすめします。
教科書の音声でも構いません。
英文を見る。
↓
意味を確認する。
↓
音声を聞く。
↓
自分でも音読する。
↓
もう一度聞く。
この流れです。
意味が分からない英語をただ聞き流すのではなく、
意味を理解した英文を繰り返し聞く
ことから始めてください。
⑤ 過去問|点数より「あと何点取れたか」を見る
過去問を解くと、
「38点だった……」
「全然ダメだ……」
と落ち込む生徒がいます。
でも、過去問は落ち込むために使うものではありません。
例えば38点だったとします。
間違えた62点分を、
- 知らなかった
- 忘れていた
- 読み間違えた
- 時間が足りなかった
- 分かっていたのにミスした
- 今の自分には難しかった
に分けます。
すると、
「単語を覚えていれば5点」
「時間があれば6点」
「ミスがなければ4点」
というように、
取り戻せそうな点数
が見えてきます。
私はここを大切にしています。
38点だった。
だからダメ。
ではなく、
「38点を次に48点にするにはどうする?」
と考えてください。
【残り期間別】高校入試までの英語勉強法
ここからは、残された期間ごとに考えてみます。
高校入試まで残り3か月なら
3か月あるなら、まだ基礎を立て直す時間があります。
特に英語30〜40点台なら、
単語+文法+短文・長文
を並行して進めます。
残り3か月の基本
毎日:英単語
↓
週前半:基本文法
↓
週後半:短文・長文
↓
週末:模試・入試形式の問題+復習
というように組み合わせます。
「12月は文法だけ、1月から長文」
のように完全に分ける必要はありません。
基礎を直しながら、実戦問題にも触れていきます。
高校入試まで残り2か月なら
残り2か月になったら、少し考え方を変えます。
すべての文法を一から完璧にしようとすると時間が足りません。
過去問や模試を利用して、
自分が何で失点しているか
を確認します。
例えば、
単語不足が大きい
→ 単語を増やす
文法問題を落としている
→ 頻出文法を復習
長文が最後まで終わらない
→ 読解練習+時間配分
英作文がほぼ白紙
→ 基本表現を練習
というように、勉強を絞ります。
高校入試まで残り1か月なら
残り1か月。
ここで一番避けたいのが、
新しい参考書を次々に買うこと
です。
不安になると、
「この問題集もやった方がいいかな」
「こっちの参考書の方がいいかも」
となります。
でも1か月しかないなら、今まで使ってきた教材を利用してください。
そして、
間違えた問題をできるようにすること
を優先します。
残り1か月で優先すること
- 英単語を毎日確認
- 苦手文法だけ復習
- 過去問・入試形式問題
- 長文の時間配分
- リスニング
- 英作文の基本表現
- 過去に間違えた問題の解き直し
ここまで来たら、
「新しいことを増やす」より「取れる問題を確実に取る」
という考え方が大切です。
高校入試まで残り2週間なら
2週間前になると、
「もう間に合わない」
と思うかもしれません。
でも、2週間でできることもあります。
むしろ、
やることを絞りやすい時期
です。
今から中学3年間を全部やり直す必要はありません。
- 毎日の単語確認
- 過去問で何度も間違えた文法
- 長文の読み方
- 英作文で使う基本表現
- リスニング
- 自分が過去に間違えた問題
ここに集中します。
そして睡眠時間を削ってまで勉強しないでください。
本番で頭が働かなければ意味がありません。
時間がない受験生が「やらなくていいこと」
残り時間が少ないからこそ、やらないことも決めましょう。
新しい問題集を何冊も買う
基本的には必要ありません。
1冊を完璧にする必要もありませんが、教材を次々変えるより、
今持っている教材で、できない問題を減らす
方を優先してください。
難問ばかり解く
志望校によっては難しい問題への対応も必要です。
ただし、基本問題をたくさん落としている状態なら、先にそこを直します。
50点を60点にしたい子が、
正答率の低い難問1問に30分使う。
これが本当に最優先なのか考えてください。
きれいなまとめノートを作り続ける
まとめることで覚えられる子もいます。
しかし時間がない場合、
ノートを作ること自体が目的にならないように注意してください。
まとめたら問題を解く。
覚えたかテストする。
そこまでやります。
英語だけに時間を使いすぎないことも大切
これは高校入試全体で非常に重要です。
英語が苦手だから、
毎日英語だけ3時間。
本当にそれが一番点数につながるでしょうか?
例えば、
英語を30点から40点にするのに30時間必要。
でも社会なら、同じ時間で50点から70点にできる。
ということもあります。
高校入試は基本的に英語だけで合否が決まるわけではありません。
5教科全体で、どこから点数を増やすか
を考えてください。
英語を捨てるという意味ではありません。
英語で最低限必要な点数を確保しながら、
他教科も含めて合格に近づく作戦を立てる
ということです。
保護者の方へ|「もう間に合わないよ」は言わないでほしい
受験が近づくと、保護者も焦ります。
子どもがスマホを見ている。
英単語も覚えていない。
模試の判定も良くない。
すると、
「今まで何してたの?」
「もっと早くやればよかったのに」
「もう間に合わないよ」
と言いたくなることもあると思います。
気持ちはよく分かります。
でも、
過去には戻れません。
9月に戻ることも、中1に戻ることもできません。
だったら考えるのは一つです。
「今日から何をする?」
これです。
最初に一緒に「あと何点必要か」を考える
例えば英語35点だったら、
「なんで35点なの?」
ではなく、
「次は45点にするなら、どこから10点取ろうか?」
と考えます。
10点なら、少し現実的に感じませんか?
そして45点になったら、
次は50点。
一段ずつです。
受験直前ほど、
100点満点との差を見るのではなく、
次に取る5点、10点を見る。
私はこの考え方が大切だと思っています。
「間に合う・間に合わない」を決める前に、今日やってみよう
この記事をここまで読んで、
「じゃあ、本当に間に合うんですか?」
と思っている人もいるでしょう。
正直に言えば、
残り1か月で英語30点の生徒が、必ず90点になる。
そんなことは言えません。
志望校や現在の学力によっても違います。
でも、
30点を40点にする可能性を高める勉強はできます。
40点を50点にするためにできることもあります。
だったら、
「もう無理だ」
と決めるのはまだ早いです。
今日、
英単語を20個覚える。
文法を一つ復習する。
長文を一題読む。
過去問を一題解き直す。
何でもいいです。
今日取れるようになった1点を積み重ねてください。
まとめ|高校入試の英語が間に合わないなら「全部やる」をやめる
高校入試まで時間がない。
英語が苦手。
そんなときほど、
焦って全部やろうとしないでください。
優先順位は、
①現在の点数と必要点を確認する
↓
②英単語を毎日やる
↓
③必要な基本文法まで戻る
↓
④長文・リスニング・英作文を並行する
↓
⑤過去問で失点原因を分析する
↓
⑥取れる問題を確実に増やす
です。
そして残り期間が短くなるほど、
「何を勉強するか」と同じくらい「何をやらないか」
が大切になります。
受験生に残された時間は全員同じです。
だから、
昨日まで勉強しなかったことを悔やむ時間より、
今日から何をするかを考える時間
にしてください。
「もう間に合わない」
ではなく、
「あと何点なら取りにいける?」
そこから受験勉強を立て直しましょう。
