模試の解き直しノートは必要?成績が伸びる復習方法と作り方を現役塾長が解説

「模試が返ってきたけれど、何から復習すればいいの?」

「間違えた問題を全部ノートに書き写した方がいい?」

「解き直しノートを作っているのに、なかなか点数が上がらない……」

高校受験を控えた中学生から、このような相談を受けることがあります。

模試の結果を見ると、どうしても偏差値や志望校判定が気になりますよね。

しかし、模試で本当に大切なのは、受験した後の行動です。

私は学習塾で中学生を指導する中で、模試の復習には一つの大切な考え方があると感じています。

それは、きれいなノートを作ることより、次に同じような問題が出たときに自力で正解できるようになることです。

今回は、模試の解き直しノートが必要な生徒と必要ない生徒の違い、具体的な作り方、5教科の復習方法まで解説します。

模試の解き直しノートは本当に必要?

結論からお伝えすると、模試の解き直しノートは、必ずしも全員に必要なものではありません。

もちろん、間違えた問題を整理し、自分の弱点を確認するためには役立ちます。

しかし、ノートを作ること自体が目的になってしまうと、肝心の問題演習に使う時間が減ってしまいます。

例えば、数学の問題を間違えたとします。

解説を丁寧に書き写して、色ペンできれいにまとめた。

それだけで勉強した気持ちになってしまうことはありませんか?

大切なのは、その後です。

解説を閉じて、もう一度同じ問題を解けるでしょうか。

少し数字や条件が変わっても、正解できるでしょうか。

ここまでできて、初めて復習の成果を確認できます。

解き直しノートを作った方がよい生徒

  • 同じ間違いを何度も繰り返している
  • 自分が何を理解していないのか分からない
  • 数学の途中式や考え方を整理したい
  • 英語の文法ミスを記録しておきたい
  • 間違えた問題を後から探すのが苦手

こうした生徒には、解き直しノートが役立つ場合があります。

ノートを作らなくてもよい生徒

一方で、問題用紙や解答用紙に間違いの原因を直接書き込み、後日もう一度解けるように管理できている生徒なら、別のノートを作る必要はありません。

特に、ノート作りに時間がかかりすぎる生徒は注意が必要です。

模試の復習は、ノートの完成度を競うものではありません。

模試の解き直しで最初にやるべきこと

模試が返却されたら、すぐに間違えた問題を全部解き直すのではなく、まず失点の原因を分類しましょう。

私は、次の4つに分けて考えることをおすすめしています。

間違いの種類具体例必要な対策
知識不足英単語や理科の用語を知らなかった基本事項の暗記
理解不足数学の解き方が分からなかった教科書・解説に戻る
ミス計算や問題の読み違いミスの原因を確認
時間不足解ける問題まで到達しなかった時間配分の練習

ここで重要なのは、間違えた理由によって復習方法を変えることです。

例えば、英単語を知らなかったのであれば、単語を覚える必要があります。

一方、数学の関数の考え方が理解できていなければ、公式を暗記するだけでは不十分です。

「何を間違えたか」だけでなく、「なぜ間違えたか」を確認する。

これが解き直しの出発点です。

模試の解き直しノートの作り方【3ステップ】

難しく考える必要はありません。

ノートに書く内容は、できるだけシンプルにしましょう。

ステップ1:間違えた問題を選ぶ

すべての問題をノートに書き写す必要はありません。

優先したいのは、次のような問題です。

  • 解説を読めば理解できそうな問題
  • 以前にも間違えた問題
  • 志望校の目標点に届くために必要な問題
  • 基本問題なのに正解できなかった問題

反対に、現時点では難しすぎる応用問題に何時間もかける必要はありません。

今の実力と目標点を考え、優先順位をつけましょう。

ステップ2:間違えた原因を一言で書く

例えば、数学の一次関数で間違えた場合です。

「一次関数が苦手」と書くだけでは、次に何を勉強すればよいのか分かりません。

そこで、次のように具体的に書きます。

悪い例

一次関数が分からなかった。

よい例

2点の座標から傾きを求める方法を忘れていた。

このように書くことで、復習すべき内容が明確になります。

ステップ3:次に解く日を決める

ここが最も重要です。

ノートを作って終わりにしないでください。

例えば、次のような予定を立てます。

  • 模試返却当日:間違えた原因を確認
  • 翌日:解説を見ずに解き直す
  • 3日後:もう一度解く
  • 1週間後:類題で確認する

これは復習スケジュールの一例です。すべての問題に同じ間隔を適用する必要はありません。

正解できるようになった問題は復習の頻度を減らし、まだ解けない問題は基本に戻りましょう。

【具体例】数学の解き直しノート

例えば、次の問題を間違えたとします。

問題

2点 A(1,3)、B(3,7) を通る直線の式を求めなさい。

正解は、y=2x+1です。

この問題を間違えた場合、ノートには次のように記録します。

項目記入例
単元一次関数
間違えた原因傾きの求め方を忘れた
覚えること傾き=yの増加量÷xの増加量
次の課題2点から直線の式を求める問題を3問解く

解説を丸ごと写す必要はありません。

必要な公式を確認したら、解説を閉じて自分で計算します。

傾きは、

(7-3)÷(3-1)=2

したがって、y=2x+b。

点Aを代入すると、

3=2×1+b

b=1

よって、y=2x+1です。

このように、自分の力で解き直すことが大切です。

英語の模試は「なぜ間違えたか」で復習方法を変える

英語は、間違いの原因によって対策が大きく異なります。

英単語を知らなかった場合

知らなかった単語を記録し、日本語の意味を答えられるか確認します。

必要に応じて、英文の中でどのように使われているかも確認しましょう。

文法を間違えた場合

例えば、三人称単数現在のsを忘れていた場合です。

間違えた英文だけを書き写すのではなく、同じ文法を使った別の英文も作ってみましょう。

He plays soccer.

She studies English.

このように、自分で英文を作れるか確認することが大切です。

長文読解を間違えた場合

長文問題では、正解の選択肢を覚えるだけでは意味がありません。

本文のどこに答えの根拠があるのかを確認します。

さらに、間違った選択肢がなぜ不正解なのかも考えてみましょう。

国語・理科・社会の解き直し方法

国語:答えの根拠を探す

国語では、正解を確認した後に「本文のどこから判断できるのか」を探すことが重要です。

選択肢問題なら、不正解の選択肢についても、本文と一致しない部分を確認します。

記述問題では、模範解答と自分の解答を比較し、必要な要素が抜けていないか確認しましょう。

理科:知識不足と理解不足を分ける

理科では、用語を覚えていなかった問題と、計算や実験の仕組みが分からなかった問題を分けて復習します。

例えば、オームの法則の問題を間違えた場合、公式を覚えているだけでなく、電圧・電流・抵抗の関係を理解しているか確認します。

社会:用語だけでなく理由も確認する

社会では、人物名や出来事を覚えることも大切ですが、資料の読み取りや出来事の因果関係を理解することも必要です。

例えば歴史なら、出来事の名前だけでなく、なぜ起こったのか、その後どのような変化があったのかを説明できるようにしましょう。

解き直しノートを作っても成績が伸びない生徒の共通点

ノートを作っているのに成果につながらない場合、次のような原因が考えられます。

1. 解説を写して満足している

解説を理解したつもりでも、自力で解けるとは限りません。

必ず解説を閉じて解いてみましょう。

2. 復習する問題が多すぎる

すべての問題を完璧にしようとして、途中で続かなくなることがあります。

まずは基本問題や正解できそうだった問題から取り組みましょう。

3. 一度解き直して終わっている

その場では正解できても、数日後には解き方を忘れていることがあります。

時間を空けてもう一度確認することが大切です。

4. 同じ問題しか解いていない

模試の問題を何度も解いて正解できるようになっても、答えを覚えているだけかもしれません。

数字や条件が変わった類題でも解けるか確認しましょう。

模試の復習は何時間かければいい?

模試の復習に必要な時間は、間違えた問題の数や難易度によって異なります。

そのため、全員が同じ時間で終わらせる必要はありません。

ただし、長時間かければよいというわけでもありません。

例えば、最初の30分で次の作業をする方法があります。

  1. 10分:答案を見て失点の原因を分類する
  2. 15分:優先度の高い問題を解き直す
  3. 5分:次に復習する問題と日程を決める

もちろん、30分ですべての復習が終わるわけではありません。

これは、模試の復習を始めるための時間の使い方です。

その後、必要な問題を教科ごとに復習していきましょう。

中1・中2でも模試の解き直しノートは必要?

中学1・2年生の場合は、高校受験まで時間があります。

そのため、すべての問題を解き直すことよりも、基本的な内容を理解できているか確認することが重要です。

特に数学と英語は、前の学年の内容が次の学習につながります。

中1の方程式が理解できていなければ、中2の連立方程式で苦労する可能性があります。

英語でも、基本的な文法が理解できていなければ、長い英文を読むときに苦労します。

模試を通して苦手な単元が見つかったら、早めに教科書や学校のワークに戻りましょう。

保護者の方へ|模試の結果よりも確認してほしいこと

模試の結果が返ってくると、保護者の方も偏差値や志望校判定が気になると思います。

特に高校受験が近づいていると、結果を見て不安になることもあるでしょう。

しかし、私は模試の結果だけで子どもの努力を判断してほしくないと考えています。

例えば、前回の模試では解けなかった数学の問題が、今回は正解できていた。

英語の長文で、以前よりも内容を理解できるようになっていた。

こうした変化も大切な成長です。

もちろん、入試では結果が求められます。

だからこそ、結果だけを見るのではなく、次の結果につながる行動を一緒に考えてあげてほしいと思います。

「どうしてこんな問題を間違えたの?」

ではなく、

「次はどこを復習するとよさそうかな?」

そんな声かけも、一つの方法です。

よくある質問

Q. 模試の解き直しは全部やった方がいいですか?

必ずしも全部解き直す必要はありません。基本問題や、解説を読めば理解できそうな問題を優先しましょう。志望校の目標点や現在の学力によって優先順位は変わります。

Q. 模試の解き直しはいつまでに終わらせるべきですか?

結果が返却されたら、できるだけ早く失点の原因を確認することをおすすめします。ただし、すべての復習を一日で終わらせる必要はありません。

Q. 解き直しノートはルーズリーフでもいいですか?

問題ありません。大切なのはノートの種類ではなく、間違えた問題を後から確認できることです。

Q. 正解した問題も復習した方がいいですか?

偶然正解した問題や、解き方を説明できない問題は復習する価値があります。正解したかどうかだけでなく、理解できているかを確認しましょう。

Q. 解き直しノートを作らないと成績は上がりませんか?

そのようなことはありません。問題用紙に直接書き込む方法や、間違えた問題だけを再演習する方法でも復習できます。自分に合った方法を選びましょう。

まとめ|模試の解き直しはノート作りが目的ではない

模試の解き直しで大切なのは、きれいなノートを完成させることではありません。

間違えた原因を理解し、次に同じような問題が出たときに正解できるようになることです。

そのために意識してほしいことは、次の5つです。

  1. 間違えた原因を分類する
  2. 復習する問題に優先順位をつける
  3. 解説を閉じて自力で解き直す
  4. 日を空けてもう一度確認する
  5. 類題でも正解できるか試す

模試の結果が悪かったとしても、そこで終わりではありません。

できなかった問題が見つかったということは、これから取り組むべき課題が明確になったということでもあります。

昨日できなかった問題を、今日できるようにする。

そして、今日できた問題を、来週も自力で解けるようにする。

その積み重ねが、次の模試や高校入試に向けた力になっていきます。

模試は受けて終わりではありません。

ぜひ、次の一歩につながる復習を始めてみてください。

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