「社会は覚えることが多すぎて無理」
「歴史の人物や出来事がごちゃごちゃになる」
「地理の資料問題になると分からない」
「中3になったけれど、中1・中2の社会をほとんど覚えていない」
塾で生徒を指導していると、このような相談を受けることがあります。
そして社会が苦手な生徒ほど、
「社会=全部暗記しなければならない教科」
だと思っていることがあります。
確かに社会には覚えることがあります。
しかし、最初から用語を何百個も丸暗記しようとする必要はありません。
例えば歴史なら、
縄文時代
↓
古代
↓
鎌倉・室町
↓
江戸
↓
明治
↓
大正
↓
昭和
という大きな流れが分からない状態で、
「墾田永年私財法は743年」
と覚えても、なかなか知識はつながりません。
社会が苦手な生徒ほど、
全体像を知る
↓
基本用語を覚える
↓
問題を解く
↓
資料・記述に挑戦する
という順番が大切です。
そこでこの記事では、高校受験に向けた社会の参考書・問題集を、
レベル0 基礎前
↓
レベル1 超基礎
↓
レベル2 基礎
↓
レベル3 基礎完成
↓
レベル4 標準
↓
レベル5 実戦
という6段階に分けて紹介します。
まず確認|あなたはどのレベルから始める?
次の問題を考えてみてください。
① 日本の都道府県をある程度言えますか?
「東北地方の6県を答えて」
と言われたとき、答えられるでしょうか。
ここから難しい場合は、**レベル0「基礎前」**から始めましょう。
② 日本で一番面積が大きい都道府県は?
答えは北海道です。
このような地理の基本知識がかなり怪しい場合も、基礎から始めます。
③ 鎌倉幕府を開いた人物は?
源頼朝。
④ 江戸幕府を開いた人物は?
徳川家康。
このあたりがほとんど分からない場合も、歴史の全体像からやり直した方がいいでしょう。
⑤ 三権分立の「三権」は?
立法・行政・司法です。
このあたりまである程度答えられるなら、基礎問題演習へ進めます。
全部できなくても大丈夫です。
重要なのは、
「自分がどこから分からなくなっているのか」
を知ることです。
レベル0【基礎前】社会が本当に分からない
おすすめ① 『中学地理をひとつひとつわかりやすく。』『中学歴史をひとつひとつわかりやすく。』など
社会のテストが10〜30点程度。
教科書を読んでも何が重要なのか分からない。
歴史の順番もほとんど分からない。
このような生徒には、最初から入試問題集をおすすめしません。
まず、
「社会ってこういう教科なんだ」
というところから始めます。
例えば地理なら、
・日本の地方区分
・都道府県
・世界の大陸
・主な国
・気候
・農業
・工業
など。
歴史なら、
・縄文、弥生
・奈良、平安
・鎌倉、室町
・安土桃山
・江戸
・明治
・大正、昭和
という大きな流れからです。
こんな生徒におすすめ
・社会10〜30点程度
・都道府県もかなり怪しい
・歴史の時代順が分からない
・教科書を読んでも頭に入らない
・社会は「暗記だから嫌い」と感じている
このレベルでは、細かい年号を大量に覚えなくて大丈夫です。
まずは、
「日本の歴史はこう流れてきたんだ」
と理解することから始めましょう。
社会が苦手なら「覚える前に理解する」
社会が苦手な生徒を見ると、
意味が分からない言葉をそのまま暗記しようとしている
ことがあります。
例えば、
「廃藩置県」
という言葉だけを何度も書いて覚える。
もちろん、最終的には用語を覚える必要があります。
しかし、
「明治政府が藩を廃止して府県を置き、中央政府による統治を進めた」
という意味を理解していれば、覚えやすさは変わります。
社会は、
理解→暗記
の順番にするとかなり勉強しやすくなります。
レベル1【超基礎】全体像は分かるが基本用語が弱い
おすすめ② 中学社会のやさしい総復習教材
地理・歴史の大まかな内容は分かる。
でも、
「用語を聞かれると答えられない」
という段階です。
ここでは、
基本事項を確認しながら、簡単な問題を解く
教材がおすすめです。
例えば歴史なら、
「鎌倉幕府を開いた人物は?」
→ 源頼朝
「江戸幕府を開いた人物は?」
→ 徳川家康
「大政奉還を行った将軍は?」
→ 徳川慶喜
というように、まず基本用語を答えられるようにします。
地理なら、
「日本最大の平野は?」
→ 関東平野
「自動車工業が盛んな工業地帯は?」
→ 中京工業地帯
などです。
ここでは難しい資料問題より、
基本用語を見た瞬間に答えられる状態
を目指します。
レベル2【基礎】一問一答で知識を定着させる
おすすめ③ 高校入試向け社会一問一答
基本事項が理解できたら、一問一答形式の問題集を使うと効率的です。
ただし、一問一答にも注意点があります。
最初から全部覚えようとしないことです。
例えば100問あったら、
1周目
→ 分かる問題と分からない問題を分ける
2周目
→ 間違えた問題だけ
3周目
→ まだ間違える問題だけ
と進めます。
おすすめは、
○=すぐ答えられた
△=少し考えた
×=分からなかった
という印をつける方法です。
2周目は△と×。
3周目は残った△と×。
こうすると、自分専用の弱点問題集になります。
社会は「書いて覚える」だけにしない
社会が苦手な生徒ほど、
ノートに同じ言葉を10回、20回書いていることがあります。
もちろん、書くこと自体が悪いわけではありません。
しかし、
書いた回数=覚えた量
ではありません。
おすすめは、
問題を見る
↓
答えを隠す
↓
口で答える
↓
答えを確認する
という方法です。
「徳川家康」と10回書くより、
「江戸幕府を開いた人物は?」→「徳川家康」
と何度も思い出す方が効率よく覚えられる場合があります。
社会では、
覚える時間より「思い出す時間」を増やす
ことを意識してください。
レベル3【基礎完成】地理・歴史・公民をつなげる
おすすめ④ 高校入試・中学3年間総復習タイプの社会問題集
ここまで来たら、
地理だけ。
歴史だけ。
ではなく、
地理・歴史・公民をまとめて復習
します。
高校入試では3分野から出題されます。
そのため、
「歴史は得意だけど地理は全然ダメ」
という状態では点数が安定しません。
この段階では、
地理
→ 世界・日本・産業・資料
歴史
→ 古代から現代までの流れ
公民
→ 日本国憲法・国会・内閣・裁判所・経済・国際社会
を一度整理します。
目標は、
高校入試の基本問題を確実に取れる状態
です。
レベル4【標準】資料・グラフ・記述問題へ
ここから社会は一段難しくなります。
単純に、
「○○を答えなさい」
だけではなく、
グラフ。
地図。
統計資料。
歴史資料。
写真。
文章。
などを読み取って答える問題が増えてきます。
例えば地理なら、
「このグラフから、この地域の産業の特徴を答えなさい」
歴史なら、
「この資料が出された時代の出来事を答えなさい」
公民なら、
「資料から日本社会の課題を読み取りなさい」
といった問題です。
ここでは、
知識+資料を読み取る力
が必要になります。
記述問題は「キーワード」を意識する
社会の記述問題で、
「何を書けばいいのか分からない」
という生徒は多いです。
最初から完璧な文章を書こうとしなくて大丈夫です。
まず、
答えに必要なキーワードは何か
を考えます。
例えば、
「なぜ明治政府は廃藩置県を行ったのか」
という問題なら、
「中央政府」
「全国」
「統一的」
など、必要になりそうな言葉を考えます。
そのキーワードを使って文章を作ります。
社会の記述は作文ではありません。
採点者が求めている要素を入れる
ことが重要です。
レベル5【実戦】宮城県高校入試・過去問へ
おすすめ⑤ 宮城県公立高校入試の過去問題集
基本知識がある程度固まり、資料問題も解けるようになったら、過去問へ進みます。
宮城県の受験生なら、宮城県公立高校入試の過去問を使いましょう。
ここでは、
時間を測って解く
ことが重要です。
そして点数だけを見るのではなく、
「地理で何点落とした?」
「歴史は?」
「公民は?」
「知識問題?」
「資料問題?」
「記述問題?」
と分析します。
例えば、
地理の資料問題が弱い
なら地理へ戻る。
歴史の年代整序が弱い
なら歴史の流れへ戻る。
公民用語を忘れている
なら一問一答へ戻る。
つまり、
過去問はゴールであると同時に、弱点を見つける教材でもあります。
社会が苦手な中3の参考書ルート
社会が本当に苦手なら、
レベル0 基礎前
地理・歴史そのものがほとんど分からない
→ やさしい解説教材
↓
レベル1 超基礎
大まかな内容は分かるが用語が弱い
→ 基本事項+基本問題
↓
レベル2 基礎
基本用語を覚える
→ 一問一答
↓
レベル3 基礎完成
地理・歴史・公民を整理
→ 中学3年間総復習
↓
レベル4 標準
基本知識はある
→ 資料・グラフ・記述問題
↓
レベル5 実戦
入試問題へ
→ 宮城県高校入試過去問
という流れです。
一気にレベルを上げない
ここがこの記事で一番伝えたいことです。
社会20点の生徒に、
「受験生だから」
という理由だけで入試過去問を毎日解かせても、なかなか伸びないことがあります。
問題文を読む。
↓
知らない用語だらけ。
↓
解けない。
↓
答えを見る。
↓
赤ペンで写す。
これでは勉強が苦しくなります。
それなら、
まず基本用語を50個覚える。
その50個が問題に出て、
「あ、分かる!」
となる。
この経験を増やしていく方がいい。
社会は、
「知らない」から「知っている」へ変わるほど点数につながりやすい教科です。
社会が苦手な生徒こそ「毎日15分」
社会を週末にまとめて3時間勉強するより、
毎日15〜20分
触れることをおすすめします。
例えば、
月曜日 地理20問
火曜日 歴史20問
水曜日 地理20問
木曜日 歴史20問
金曜日 公民20問
土曜日 今週の×だけ
日曜日 確認テスト
でも構いません。
一度に全部覚えようとしない。
忘れる→思い出す→また忘れる→また思い出す。
これを繰り返して知識を定着させます。
宮城県の受験生は新みやぎ模試を活用しよう
宮城県の中3生なら、新みやぎ模試の社会の答案を確認してください。
偏差値だけを見て、
「社会が下がった」
で終わらせるのはもったいないです。
例えば、
地理の基本用語から間違えている
→ レベル0〜2
知識問題はできるが資料問題で落としている
→ レベル3〜4
記述問題が空欄
→ レベル4
全体的には取れるが時間が足りない
→ レベル5
というように考えます。
模試を受けたら、
点数を見る
↓
弱点を見つける
↓
適切なレベルへ戻る
↓
問題集で補強
↓
次の模試で確認
この流れを作りましょう。
保護者の方へ|「社会なんて暗記すれば取れる」と言わないでください
最後に、保護者の方にもお伝えしたいことがあります。
社会が苦手なお子さんに、
「社会なんて覚えるだけでしょう?」
と言いたくなることがあるかもしれません。
でも、本人からすると、
「何を覚えればいいのか分からない」
「覚えてもすぐ忘れる」
「用語同士がつながらない」
という状態かもしれません。
そんな生徒に、
「全部覚えなさい」
と言っても苦しくなってしまいます。
最初は10個でもいい。
昨日知らなかった人物を一人覚えた。
分からなかった県を一つ覚えた。
歴史の流れが一つつながった。
それでいいのです。
昨日知らなかったことを、今日は一つ知っている。
社会の勉強は、その積み重ねです。
まとめ|社会は「理解→基本用語→問題演習」の順番で伸ばす
社会が苦手だからといって、最初から大量暗記をする必要はありません。
基礎前
↓
超基礎
↓
基礎
↓
基礎完成
↓
標準
↓
実戦
と一段ずつ上がればいいのです。
社会が10点、20点なら、やさしい教材から。
基本用語が分かってきたら一問一答。
知識が増えてきたら資料・記述。
そして最後に過去問。
いきなりゴールから始めないことです。
社会は、正しく勉強すれば、
「分からない」
が、
「これ知ってる!」
に変わっていく教科です。
そして、その「知っている」が増えるほど、問題が解けるようになります。
中3だから遅いわけではありません。
今の自分が分かるところから、一段ずつ始めてください。
今日覚えた一つの知識が、入試本番の1点になるかもしれません。
まずは今の自分に合った1冊から始めてみましょう。
