受験生の息子がゲームやスマホばかり！母親はどう向き合うべき？
保護者は～うちの子供受験生なのに全然勉強しません。どうしたらいいのかしら。
先生なるほどね。親は受験生なのにどうして勉強しないの？って思いますよね
保護者そうなんですよ。いつもきつく言ってしまいます。
先生それでは本日は受験生と保護者のお話をしたいと思います。
中学3年生の受験生を持つ母親にとって、「ゲームばかりしていて勉強しない」という悩みは、避けて通れない問題です。大切な受験が迫っているのに、息子が勉強せずにスマホやゲームに夢中になっている姿を見ると、焦りと不安が募るばかり。
「どうしたら息子が勉強に集中してくれるのか？」と悩む母親の姿は、決して他人事ではありません。この記事では、ある母親と息子のリアルな体験を元に、受験期の親子関係とその乗り越え方について考えてみます。
1. 受験生の母親の葛藤
美智子は、毎日仕事から帰宅すると、息子の翔太がリビングでゲームをしている姿を目にする。
「またゲーム？いつになったら勉強するの？」
何度も注意してきたが、翔太は「分かってるよ」と軽く答えるだけで、すぐにゲームに戻ってしまう。翔太が中学3年生になり、いよいよ受験が迫っているこの時期に、勉強に向き合う気配がない息子を見て、美智子の心は焦りと不安でいっぱいだった。
「あの子、このままで大丈夫なの？受験、もうすぐなのに…」
寝室に入ると、美智子はふと鏡に映る自分の顔を見た。疲れた表情に、つい涙がこぼれる。どれだけ言っても翔太が変わらない現状に、母親として無力感を覚えていた。
2. 爆発する感情
ある日、仕事で忙しく疲れて帰ってきた美智子は、またリビングでゲームをしている翔太を見て、とうとう我慢できなくなった。
「翔太！いい加減にして！いつまでゲームしてるの！？受験が迫ってるって分かってるの？」
感情が爆発してしまった美智子は、強い口調で翔太を責めた。すると、翔太も声を荒げて反論する。
「うるさい！ちゃんとやってるって言ってるだろ！ほっといてくれよ！」
その一言に、美智子は絶句した。まるで、息子と心が通じていないように感じたのだ。部屋に閉じこもる翔太の姿を見て、美智子はどうすればいいのか分からなくなり、ひとり涙を流す夜が続いた。
3. 翔太の気持ち
数日後、美智子は、息子との距離をどうにかして埋めたいと思い、意を決して翔太の部屋をノックした。
「翔太、少し話せる？」
翔太は一瞬嫌そうな顔をしたが、美智子がいつもと違う優しい口調で話しかけているのに気づいたのか、黙ってうなずいた。
「ごめんね。最近、あなたにきつく当たってばかりで。私はあなたのことが心配で…でも、どうしても気持ちがうまく伝えられなかったみたい。翔太が今、どういう気持ちなのか、ちゃんと教えてくれない？」
翔太は少し黙っていたが、やがて静かに口を開いた。
「正直、どうしてもやる気が出ないんだ。何から手をつけていいか分からないし、みんなが遊んでるのを見てると、自分だけが頑張っても意味ない気がしてさ…。それに、失敗したらどうしようってずっと怖くて…」
その言葉を聞いて、美智子は胸が締めつけられる思いだった。翔太も、ただ遊んでいるだけではなく、受験に対するプレッシャーや不安を抱えていたのだ。それを理解しようともせず、ただ「勉強しろ」と繰り返してきた自分に、深い後悔が押し寄せた。
4. 母親としての新たなアプローチ
その日を境に、美智子は翔太への接し方を変えることを決意した。「勉強しなさい」という命令口調ではなく、翔太の気持ちを尊重しながら、一緒に受験を乗り越えるための計画を立てることにした。
まずは、翔太がどこに不安を感じているのかを丁寧に聞き取り、具体的な勉強方法や時間管理について話し合った。そして、スマホやゲームを完全に禁止するのではなく、**「遊びの時間と勉強の時間をバランスよく使う方法」**を一緒に考えた。
「じゃあ、ゲームは1時間だけってどう？その後は一緒に勉強計画を見直して、何をやるか決めようよ」
翔太は、母親が一方的にルールを押し付けるのではなく、自分の意見も取り入れてくれることに少し驚いた様子だったが、次第に前向きに協力するようになった。
5. 親子の絆が深まる瞬間
それから数週間、翔太は少しずつ勉強に取り組むようになり、美智子も彼をサポートするために日々声をかけたり、計画を見直したりすることを続けた。もちろん、勉強に集中できない日もあったが、美智子は感情的に叱ることなく、翔太のペースを尊重しつつ励まし続けた。
そして迎えた受験前夜、翔太は美智子に静かに言った。
「お母さん、今までありがとう。俺、ちゃんと頑張るよ」
その言葉に、美智子は涙が溢れた。これまでの努力が報われた瞬間だった。翔太が自分の力で立ち向かおうとしている姿に、母としての誇りと安堵感がこみ上げてきたのだ。
6. まとめ：共に歩む大切さ
美智子は、息子との受験生活を通じて、親子関係の本当の大切さを学んだ。「勉強しなさい」という言葉ではなく、子どもの気持ちを理解し、共に悩みを乗り越えていくことが、親としてできる最良のサポートだということを。
翔太もまた、母親との関係を通じて、自分を支えてくれる人がいることの大切さを感じた。彼はもう、ひとりで不安に押しつぶされることなく、受験という大きな挑戦に立ち向かうことができるだろう。
受験を終えた後、翔太は微笑んでこう言った。
「お母さん、ありがとう。これからも一緒に頑張ろうな」
その一言に、美智子は深い絆を感じ、親としての成長も実感した。親子の絆が深まる瞬間こそが、受験期を乗り越える最大の力になることを、彼女は確信していた。
